- 開催日時
- 2024年4月17日(水)~2024年6月3日(月) 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日:火曜日、4月28日(創立記念日) - 催事場
- 天理大学附属天理参考館(3階 企画展示室)
日本で「古代アンデス」といえば、インカ帝国を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、ペルーとボリビアの一部を含む中央アンデス地帯では、実に多様な古代文化が栄えました。古代アンデスでは紀元前3000年頃から神殿が建設され始めますが、土器が登場するのは紀元前1800年頃と、世界のほかの地域と比べて遅かったことに驚かされます。それにもかかわらず、各地で様々な土器がつくられました。
こうした古代アンデスの土器は、19世紀後半に欧米諸国の博物館や美術館によって考古学的に高く評価されます。これがきっかけとなり「贋作」がつくられるようになりました。そして1950年代に古美術コレクター達によって造形美術としての価値まで付与されると、「贋作」づくりはさらに盛んになりました。
本展は、2021年に開催した第86回企画展「器にみるアンデス世界―ペルー北部地域編―」の続編として開催します。そのため、ペルー南部地域とボリビアにまたがって栄えた古代文化を対象として、土器や木器の真作と「贋作」を同時に展示します。これにより、当時の世界観に触れていただき、それらが現代ペルー社会において古代とは異なる脈絡で再生産されている様子をご覧いただきます。また、山形大学ナスカ研究所および山形大学附属博物館の協力を得て、ナスカの地上絵に関する最新の研究成果と、同時進行で行われている保護活動の現状についてご紹介します。
本展を通じて、ペルー北部地域とは異なる土器や木器の造形をご堪能いただき、現代ペルー社会における文化財をめぐる実状を感じとっていただければ幸いです。
〈公式サイトより〉